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コーヒーの味わいは、豆の焙煎の仕方や挽き方、コーヒーをいれる道具やいれ方などによって変わります。裏を返せば、自分の好きな味は自分の手でつくり出せるということ。ノウハウさえ覚えれば、世界にただ一杯の、自分だけのコーヒーをいれることができるのです。休日のブランチに家族が飲むための一杯をいれる、ホームパーティで親しいゲストにごちそうする……、いれ方をマスターすれば、そんな楽しみも広がることでしょう。コーヒーが好きという貴方、インスタントならよく飲むという貴方、これからはひと手間かけてコーヒーをいれる楽しみを見つけてみませんか。今回は、キーコーヒー株式会社様のご協力を得て、日本におけるコーヒー文化やおいしいコーヒーのいれ方をご紹介します。   協力:キーコーヒー株式会社
第1章 コーヒーセミナーの歴史 第2章 KEYCOFFEE おいしいコーヒーのいれ方
第1章 コーヒーの歴史
コーヒー文化の大衆化は東京・銀座から始まった。
日本のコーヒー文化は、いつ、どのように生まれ、発展してきたのだろう。歴史を遡ると、明治44年、銀座に誕生したカフェ-パウリスタの影響が大きいことがわかります。
●日本のコーヒー文化は明治末期に花開いた
日本でコーヒーを飲む習慣が根付いたのは、明治末期から大正初期にかけてのこと。当時、東京・銀座に「カフェー・プランタン」「カフェー・ライオン」をはじめ、コーヒーが飲める店が次々に登場しました。
なかでも「カフェ-パウリスタ」は、ブラジルのコーヒー農園への移民に協力した功績に対して、ブラジル政府から独占的に提供されるコーヒーを誰もが気軽に飲める価格で提供する店として人気を博し、日本におけるコーヒーの大衆化に貢献しました。最盛期には20数店舗、従業員1,000人を超えるほどの繁盛ぶりを見せたそうです。

その後の1920(大正9)年、「カフェ-パウリスタ」で働いていた当時19歳の柴田文次が、横浜市中区福富町にコーヒー商「木村商店」(現・キーコーヒー株式会社)をオープンし、日本人による初の本格的なコーヒーの焙煎・販売を始めました。以来、コーヒーの製造・販売だけでなく、おいしくコーヒーをいれる方法を学べるコーヒー講座を開くなど、日本におけるコーヒー文化の普及と発展に力を注ぎました。

第2章 KEYCOFFEE おいしいコーヒーのいれ方
豆・粉選びから抽出法まで。コツを覚えて、至福の一杯をいれよう。
ここでは、はじめてコーヒーをいれる方向けのエッセンスをご紹介します。豆や粉の選び方、抽出方法などおいしいコーヒーをいれるコツを習得しましょう。
【コーヒーの選び方】
粉を買う場合
粉が入った缶や袋に、産地・内容量・豆の挽き方・粉の特徴を引き立てるのに適した使用器具などが表示されているので、好みに合わせて選びます。商品には、たいていの場合、選ぶ時にわかりやすいように味の特徴が表記されています。
豆(量り売り)を買う場合
買いたいコーヒーが決まっていない場合は、酸味、苦み、甘みなど自分の好みをお店の人に伝えて選んでもらうとよいでしょう。
豆(袋入り)を買う場合
賞味期限を確認し、できるだけ製造日の新しい新鮮な豆を選びましょう。

 初めてコーヒーをいれる場合は、手間がかからず、すぐにコーヒーが抽出できる粉を買うと便利でしょう。豆を買った場合、家庭に豆を挽くための専用器具(ミル)を準備する必要があります。なお、コーヒー販売店などでは、豆をお好みの粒度で粉に挽いてくれるところもあります。
 購入する量は、ひとり1回分の使用量を10gとし、粉なら1週間、豆なら2週間で使い切る量を目安にするとよいでしょう。
 また、コーヒーは匂いが移りやすいので、必ず密閉容器に入れて、冷暗所で保存します。光が当たらず、温度変化の少ない食器棚の中などが理想的です。夏場は冷蔵庫に入れるとよいでしょう。ただし、長時間冷蔵庫に入れておくと、使う時に結露の心配があります。中身をすぐに取り出さずに、常温に戻してから使うようにしましょう。
【コーヒーをおいしくいれるコツ】
沸騰したお湯を使っていれる
新鮮な水(くみたての水)を沸騰させて使います。コーヒーの味は、抽出に使う水によって変化するので、お好みのコーヒーの味によって水を選ぶとよいでしょう。水道水を使う場合は、浄水器などを通してカルキ臭を抜くことをお勧めします。また、アルカリイオン水など硬度の高い水を使うと、味が大きく変わってしまうので注意が必要です。
器具は事前に温めておく
コーヒーをいれる器具やカップは、事前にお湯で温めてから使いましょう。
飲む分だけいれる
コーヒーは冷めたり、沸かし直したりすると、香りが飛んで味が落ちます。
つくり置きは避け、飲む分だけをいれましょう。
「ペーパードリップ」でのいれ方
コーヒーのいれ方には、「ペーパードリップ」「サイフォン」「ネルドリップ」「フレンチプレス」などさまざまな方法があります。ここでは、最もスタンダードで、誰もが手軽においしい味を楽しめるペーパードリップ方式をご紹介します。
用意するもの
コーヒードリッパー(粉を入れ、注いだお湯を落とすための器)
抽出穴が3つのカリタ式、1つのメリタ式などいくつかのタイプがあります。
サーバーに合う大きさのものを選びましょう。
コーヒーサーバー(抽出したコーヒーを受ける器)
飲む方の人数に合わせて選びましょう。
コーヒーフィルター(コーヒーをろ過するための紙)
ドリッパーに合う大きさのものを選びます。
コーヒーの粉
ペーパードリップの場合、あまり細かく挽きすぎない「中挽き」の粉がおすすめです。
メジャーカップまたはスプーン(計量カップ)
沸騰したお湯
ドリップポット(お湯を注ぐためのポット)
カップ&ソーサー
※器具については、杯数に合わせたサイズのものをチョイスしてください。
いれ方の手順
フィルターの底と横の貼り合わせ部分を、手前と向こう側に互い違いに折り、ドリッパーにしっかりと密着させるようにセットします。
フィルターに1人前あたり10g(専用のスプーンすり切りいっぱい)の粉を、人数分入れます。
ドリッパーを左右に振って、粉を平らにならします。粉が盛り上がっていると、十分に蒸らし、膨らませることができません。
沸騰したお湯を注ぎます。注ぎはじめは、少量のお湯を粉全体に浸み込ませる程度にゆっくりと回しながら注ぎ、20秒ほど蒸らします。
2回目からは、粉全体が細かな泡で膨らむように、中央から外側へ向かって「の」の字を描くようにお湯を注ぎます。泡が消える前に次を注ぎ、合計5~6回に注ぎ分けてください。抽出するコーヒーの量は、コーヒーサーバーの目盛りを目安にします。
必要な量のコーヒーができたら、お湯が残っていてもドリッパーを外します。お湯の注ぎはじめの1回目から、でき上がりまで3分ほどが目安です。
「アイスコーヒー」のいれ方
用意するもの ※器具はペーパードリップと同じものを使用します。
コーヒードリッパー(粉を入れ、注いだお湯を落とすための器)
抽出穴が3つのカリタ式、1つのメリタ式などいくつかのタイプがあります。サーバーに合う大きさのものを選びましょう。
コーヒーサーバー(抽出したコーヒーを受ける器)
飲む方の人数に合わせて選びましょう。
コーヒーフィルター(コーヒーをろ過するための紙)
ドリッパーに合う大きさのものを選びます。
コーヒーの粉
アイスコーヒー専用のフレンチロースト(深煎り)の粉がお勧めです。
メジャーカップまたはスプーン(計量カップ)
沸騰したお湯
ドリップポット(お湯を注ぐためのポット)

マドラー
グラス
いれ方の手順
氷をたっぷり用意しておきます。
500ccのアイスコーヒーを作るには、粉を50g入れます。
1回目の注ぎはじめからでき上がりの5~6回までの目安を3分ほどとし、300cc分を抽出します。
抽出したコーヒーがサーバーの500ccの目盛りになるまで、氷を入れます。
氷が溶けたらマドラーで軽く攪拌し、温度と濃さを均等にしたらできあがり。ホットコーヒーと同じく、アイスコーヒーもできたてが香り高く、おいしく飲めます。
協力:
キーコーヒー株式会社
〒105-8705 東京都港区西新橋2-34-4
ホームページアドレス:http://www.keycoffee.co.jp/