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ジムに通わなくても自分でできる鍛錬法 講師・文/東京大学医学部付属病院 リハビリテーション科 廣瀬 健先生

第2回 健康にはウォーキング!

 ジムに通わなくても“自分でできる鍛錬法”をさっそく実践してみましょう。
生活習慣病や多くの病気の遠因になっている“運動不足”を解消するために、365日いつでもどこでもできる“ウォーキング”をおすすめします。特別な道具は何もいりません。「長時間歩かなくちゃ!」と気負わず、気分転換をかねて短い時間でも外の自然を楽しむウォーキングや、生活の中に上手に組み込める実践法を廣瀬先生に詳しく説明していただきます。
 自分の健康はやはり、Do It Yourself !! さあ、今からさっそく始めてみませんか?


実践プログラム1

ウォーキング

“1日1万歩”を目標にしよう!

 有酸素運動でいつでも、どこでも、ひとりでもできる簡単な運動は“ウォーキング=歩く”ことです。日本人の年齢別一日平均歩数の調査では30〜40歳代で 約7500歩(肥満者で3280歩)、50歳代で 約6900歩(肥満者で3420歩)しかありませんが、理想的な目標は“1日1万歩”を歩くことです。
 日本人の平均的な歩幅は、男性で70〜80cm女性で60〜70cmです。1万歩とは、距離にすると男子で約7〜8km女子で6〜7kmに相当します。時間にして約1時間半歩き続ける歩数になります。長時間歩行できない人は、途中休憩したり、数回に分けて行ってもよいでしょう。
 初めは、まずプラス1000歩から行い、5000歩だった人は6000歩へと一週間ずつ位で増やし、1万歩へと近づけて行くことがよいでしょう。万歩計を使うと確実ですが、毎日万歩計を測定するのが面倒な人には、自分の基準を決めておくのもいい方法です。最初に5分歩いてみて何歩か見ておくとよいでしょう。普通の速さの基準は、5分歩くと600歩ぐらいです。10分なら1200歩です。
 最初から気負わず、まず1日10分間のウォーキングを始めることからおすすめします。徐々に目標の“1日1万歩”を歩くのが理想的です。


生活の中に組み込める実践型ウォーキング!

 「忙しくて歩く時間がない」「そう思ってもなかなかできない」と思ってはいませんか?そう言わずに、普段の日常生活の中で歩く機会を増やしてみましょう。
 たとえば、エレベーターを使わずいつも階段を使ってみましょう。階段を昇るのがたいへんなら、最初は、階段を降りるだけでも歩いてみましょう。また、通勤のひとつ手前の駅で降りて歩いてみてください。これだけでも、適度なウォーキングになります。
 会社でも、自分でコピーを取りに行く、お茶を入れに行くなど、普段、人に頼んでいることを自分でやるだけでも「運動」になります。
 お昼休みの食事なども、いつも会社の近くのお店ばかりでなく、少し離れたお店に行ってみてはどうでしょうか?おいしいと評判のお店を見つけて行く、という気持ちなら歩くのも苦ではなくなるでしょう。また食後、ゴルフの好きな人はゴルフショップに、本が好きな人は本屋に寄ったりするのも「運動」になります。
 買い物に行くにも遠回りして歩くとか、車を使わずに歩いて行くとか、車を利用した時でも、目的地から離れたところに停めて歩いてみましょう。デパートなどでは目的のものを買ったらすぐ帰るのではなく、わざわざ別のフロアに行きウィンドーショッピングなどをしていると、結構歩いていることがあります。

 このように、意識して歩けば“1日1万歩”はそんなに難しい数字ではありません。運動は毎日できればよいのですが、無理であれば週3回を目標としましょう。1万歩歩けるようになったら、さらに1分間80〜90m前後の速さでの大股歩きにしましょう。エネルギー消費も血流量も一段と高まり、効果はぐんと上がります。このとき遠くを見ると、姿勢が良くなって肺が広がります。


自分の体調・リズムに合わせて運動しよう!

1.
食後すぐに運動を始めるのはよくありません。(血流が消化管に集中しているため)
2.
ジョギングなどをする時は、急に走らずに準備体操などをして徐々に体を温め、筋肉をほぐすウォーミングアップを行います。終了時は呼吸を整えながら、徐々に体を冷ましていくクーリングダウン(整理体操)を行います。
3.
寝不足や体調の悪いときは無理をしないようにします。義務感にしばられて、雨の日も風の日も歯を食いしばって続ける必要はありません。
4.
病気がある人は、どのような運動が適しているのかを医師に指導してもらいましょう。
5.
膝が悪い人などが水中歩行運動を行う時は、プールに水漬する体積に応じて体重は軽くなるので同一の陸上運動を行う時より心拍数が低くなります。従って、陸上運動時の運動負荷(心拍数)を目安にすると水中運動時の負荷強度が高くなる可能性があります。水中歩行運動時は、陸上運動での運動強度(心拍数)を約10%低くして行うとよいでしょう。

廣瀬 健先生の略歴

廣瀬 健 医学博士・循環器専門医・麻酔指導医


1982年 獨協医科大学 医学部 卒業 同第一内科入局
1989年 獨協医科大学大学院修了(麻酔学専攻) 同第二麻酔科助手
1990年 栃木県芳賀赤十字病院 麻酔科部長
1991年 獨協医科大学 第一内科助手
1992年 米国 メイヨークリニック留学(〜1994)
1997年 獨協医科大学 第一内科講師
1999年 東京大学医学部附属病院リハビリテーション科 医員
2001年 東京大学医学部附属病院リハビリテーション科 助手
2003年 獨協医科大学リハビリテーション科 講師 および
東京大学医学部附属病院リハビリテーション科 非常勤講師

「薬剤師のクスリと健康」バックナンバー

VOL.1 運動の基礎知識 東京大学医学部附属病院/廣瀬健先生
VOL.2 健康にはウォーキング! 東京大学医学部附属病院/廣瀬健先生
VOL.3 簡単なラクラクストレッチ! 東京大学医学部附属病院/廣瀬健先生
VOL.4 シェイプアップできる筋力トレーニング! 東京大学医学部附属病院/廣瀬健先生

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