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TonTon club 男の作法豆知識

 作法とは、人間が集団生活を営む上で、コミュニケーションを円滑にはかり、相手に誤解を生じさせず、不快な思いをさせないための知恵、心構えです。また、相手への敬意の表現でもあります。
 私的に普段“ちょっと飲みに行こうか”という時「和」「洋」どちらかといえば「和」関係の店を選んでしまうことが多いようです。しかし、時にはお客様を接待しなければいけないこともあります。普通、接待する場所として日本料理か西洋料理を出すお店を選びがちです。和洋どちらのお料理をいただく時には一定のルールとマナーがあります。特に、正式な和洋料理をいただく時は、伝統的なしきたりを受け継いだ堅苦しいイメージもありますが、基本的な作法を心得ていれば、楽しく料理を食べながら会話もはずみ、お客様と共に楽しめる接待ができるでしょう。


1.お店に入るまでのエチケット


■お客様を案内する
 接待などで料亭などを利用する機会があるかと思います。接待する側のマナーとして、主賓より先に接待場所に来て、定刻の少し前に玄関や、部屋の入り口で、主賓のお出迎えをします。一方、接待される側の心構えとしては、あまり早すぎないように定刻ぐらいに着くようにします。
 接待場所がビルの中にあって、主賓をお店まで案内する場合、階段を使う時階段の右斜め前を歩いて先導します。
 エレベーターでは、接待先の方に先に乗っていただきます。降りる時もドアを押さえ先に降りていただくことがマナーです。
Text by 編集部
■座敷に上がる時
 お座敷など、靴を脱いで上がるような場所では、正面を向いた姿勢で靴を脱ぎ、靴の向きは上がってから直します。脱いだ靴は、後から来る人のために中央を避け、端に置くか下駄箱があればそちらに入れます。
 下足番の人がいるようなお店では、脱いだ靴はそのまま下足番の人にまかせます。

 冬場、コート類は料理店或いは部屋に入る前に脱いでおきます。それは外の汚れを中に持ち込まない、という意味合いです。
 コート類はクロークに預けます。ない時は座敷まで持っていきます。
Text by 編集部
■名刺の交換
 主賓を出迎え席が決まったら、名刺交換をします。その際、必ず立ち上がってお客様の正面に対し相手を見ながら挨拶します。名刺を出す場合、接待側が先に差し出します。名刺を右手で持ち左手を添え、社名や氏名を名乗りながら胸の高さで差し出します。
 相手側の名刺は左手で受け右手を添えます。その時、名刺の文字に指がかからないよう気をつけましょう。

 ・ ここまでは、接待するお店での案内から着席までの場面を想定して紹介しました。お客様を招いての食事はいろいろと神経をつかうものです。いざという時にそなえ、あらゆるTPOに合わせたマナーは最低限おさえておきたいものです。次回は室内での心得について紹介します。
Text by 編集部


2.室内での心得


■和室に入る時には
 最近の日本料理店でも宴席はテーブル席で行うことが多いようです。時にはお座敷での接待もあるかと思います。和室に入る時、女性の場合はふすまの開け閉めは座って行います。男性は中腰の姿勢で構わないようです。
 ふすまを開ける時は、左手を引き手にかけて体が入れるほど開け、部屋に入ります。閉める時はふすまを右手ではさむように持って、その手がはさまる直前まで閉めた後、引き手に持ち替えて、完全に閉めます。
 部屋に入ったら敷居、畳のへり、座布団は踏まないように気をつけましょう。荷物類がある時には、床の間や給仕に邪魔になるようなところには置かないように注意します。
Text by 編集部
■和室の挨拶
 和室内の挨拶は座って行います。座礼の仕方は、畳の上で正座の状態から相手の目を見て、両手をハの字の形になるように畳の上に置きます。
 背筋は伸ばしたまま、顔の真下に手がくるようにおじぎをします。
 座布団に座る時は、位置をあまり動かさないようにし、両手でふちをおさえ、片膝ずつのせて座ります。座布団の上に立つことはひかえましょう。
 一方、テーブル席で接待する場合、挨拶の仕方、入室の仕方など、座敷で接待を行う場合と変わりません。座布団、畳の作法がないだけ、テーブル席での接待、或いは接待される側は気楽かもしれません。
Text by 編集部
■席の決め方
 座席は接待側が決める場合もあります。決まっている時はそれに従って案内し、着席をお願いします。決まっていない時は、接待する側の人が先に部屋に入り、普通、接待する側は下座に座ります。 年配者、目上の人、主賓が後から入ります。部屋に入ったら、相手の立場順に従い上座に案内します。基本的に上座は快適で、ゆったりと落ち着く居心地のいい場所を選びます。
 上座、下座(表1)の位置は部屋のつくりによって分かりにくい場合がありますが、以下のような条件から見分けます。
Text by 編集部


表1


上座(接待される側)

主賓は掛け軸のかかった床の間を背にした席に座っていただく。または、出入り口から遠く、明るく静かで、景色がよく見える席が望ましい。

下座(接待する側)

招待側は主賓と向かう位置に席を設ける。掛け軸から遠くて出入り口付近、または庭や窓を背にする席が望ましい。



3.料理をいただくまで


■おしぼりの使い方
 着席後、おしぼりが出ましたら、手をぬぐいます。熱いおしぼりは熱いうちに、冷たいおしぼりは冷たいうちに使いましょう。顔やメガネ、首筋をふくことは見苦しいので控えるようにします。使い終わったら、丸めておかず、軽くたたんでおしぼり台に置くか、または、膳の右側に置きます。
 もし、食事中にテーブルが汚れてしまったら、おしぼりは使いません。基本的におしぼりは食前や、食事中、手を使って食べる料理の場合などに汚れた手をふくものと心得ておきます。
Text by 編集部
■食前に出るお茶
 料亭などでは、席につくと、料理が出される前にお茶(煎茶)が出ます。お茶をいただく上での一番の心配りは、冷めないうちにいただくことです。
 蓋つき茶碗が出された場合は、茶たくに左手を添え、右手で蓋を持ちます。蓋の内側についた水滴は、茶碗の中に落としてゆっくりと傾けて開けます。そして、蓋は右側に裏返しにして置きます。いただく時は右手で茶碗を持ち、左手は茶碗の底に添えるようにします。飲み終えたら、蓋は元のようにかぶせておきます。
Text by 編集部
■乾杯します
 料理をいただく前の乾杯の時、お酒は主賓、目上の方に最初につぎます。日本酒の場合、つぐ時は右手で銚子を持ち、左手を添え、粗相をふせぐため最初は細く注ぎ、除々に多くするとこぼれません。ついでもらう時は右手で杯を持ち、左手を底に添えて受けます。全員にお酒が注がれ、いき渡ったら、乾杯の音頭で目の高さ程に杯を上げて乾杯をします。
 お酒が飲めない人は礼儀として口をつけるだけでも構いません。逆に、飲めない人に無理強いすることは控えましょう。
Text by 編集部


4.「会席料理」と「懐石料理」は違います


会席料理の由来
 会席料理とは、お酒をいただきながら食事を楽しめる、実質的な酒席の料理です。もともとは本膳料理を起源とし、江戸時代中期以降、大衆から宴会を気軽に楽しくすごせる料理が望まれ、格式ばった本膳料理の形式を徐々に簡素化し、整えられたものです。そのため、本膳料理のように作法は厳しくなく、料理法もバラエティ豊かです。懐石料理と音が同じになってしまいますが、懐石料理は茶事に出される軽い食事のことを指し、茶懐石とも呼ばれます。会席料理は現在、宴席を中心とした料亭、旅館などに出され、参加する機会が最も多い日本料理です。
Text by 編集部
会席料理の楽しみ方
 会席料理の献立は一般的に乾杯後、先付(さきづけ)椀盛(わんもり)向付(むこうづけ)→焼き物→焚合(たきあわせ)→揚げ物→蒸し物→酢の物→ご飯・香の物・止め椀→水菓子の順に出されます。料理とお酒を楽しみながら食事をし、ご飯と汁が最後に出ます。
 会席料理は、四季の味覚、香りはもちろん、彩り、情緒、器の素材の美しさ、部屋の飾りつけなどの視覚的な美しさも楽しめます。食べるときは、最後まで盛りつけの美しさを楽しんで味わいながら、座の雰囲気を損なわないようにしましょう。
Text by 編集部
会席料理は料理や予算などから予約した方が間違いありません
 接待や宴会で料亭・料理店を利用する場合、事前に、お店に予約の電話を入れておいた方がよいでしょう。特に人数が多い場合は、日数に余裕をもって電話をするようにしましょう。お店選びのポイントの一つは予算に応じて選ぶことです。料亭・料理店には、さまざまなお店があり、お店、料理の内容によって、価格的にも大きく異なるからです。価格は、料理代・飲料代に消費税が加算されます(これらに席料、サービス料が加わるお店もあります)。会席料理のコースの値段は、一人あたり5千円代〜2万円位が一般的のようです。
Text by 編集部


5.最低限おさえておきたい会食のマナー


■会食のエチケット
 会席料理は座敷を利用する機会が多いです。足元はとくに目につきやすいので、あらかじめ靴下はきれいなものを着用し、靴もよく磨いておきましょう。服装は清潔なものを心掛けます。
 食事中はむやみに立ち歩いてはいけません。前かがみにならず、ひじをつかないようきちんとした姿勢でいただきます。正座は乾杯がすむまで、くずしません。
 物を食べるとき、口を開けてクチャクチャと音をたてて食べることや、口に物を入れたまま話すことは同席者を不快にさせます。食事中の話題も周囲への気遣いを忘れないようにしましょう。
Text by 編集部
箸の扱い方とタブー
 料理をいただく上で箸の扱い方は、最も大事にしたい基本的マナーの一つです。持ち方は、人差し指と中指ではさみ、親指と薬指を添えて固定します(下図参照)。また、箸の汚れは先端から3cm以内にとどめるよう注意します。
 食事中、箸を休める時は、常に箸置きに置きますが、ない場合は箸袋を使っても構いません。箸を食器の上に渡しておくことは、渡し箸といってよくありません。「もういりません」という意味になります。下にあげる箸の扱いは嫌い箸といって、同席者を不快にさせる箸の扱いです。箸の扱いには十分気をつけたいものです。
Text by 編集部
■器への心遣い
 日本料理には手に持っていい器とそうでない器があります。基本的に、お椀、お茶碗、小鉢、小皿は手に持ち、平皿、大鉢は手に持たない器と考えていいでしょう。
 会席料理のお店によっては、高価な器をつかっている所があります。器を傷めないために、貴金属類は、あらかじめ身につけないようにします。なかでも漆器類は傷がつきやすく、デリケートなものなので、細心の注意を払って扱います。器を移動する時も、自分に対して右側にある器は右手で、左側の器は左手で取り、引きずらないようにしましょう。
Text by 編集部



箸の持ち方


箸袋を箸置きに




これだけは止めたい箸使いのタブー(嫌い箸)

受け箸

箸を持った手で茶碗を持ち、おかわりをすること

ねぶり箸

箸先を口で吸ったり、くわえたりすること

刺し箸

料理を箸で刺して食べること

二人箸

二人一緒に一つの食器の料理を取ること

涙箸

箸の先からしょう油や汁をポタポタとたらすこと

寄せ箸

箸を使って器を引き寄せたり、押したりすること



6.会席料理をいただく



写真提供:京料理「熊魚菴たん熊北店」


先付(さきづけ)(前菜)
 会席料理は一品ずつ運ばれてきます。先付けは乾杯後、最初に出される軽い料理です。食欲をそそるために出され、西洋料理ではオードブルにあたり、「前菜」、「つきだし」、「お通し」とも呼ばれます。季節の素材のもの、珍味などが小鉢や平皿に少量盛られた和え物、浸し物等が平均的料理です。手前や端から順に、きれいな盛り付けをくずさないようにいただきましょう。海の物から山の物へといただくことがいいとされているようです。汁物の入った小鉢は手に持っていただいても構いません。
Text by 編集部
椀盛(わんもり)(吸い物)
 椀盛は乾杯で飲んだお酒と前菜の口直しとして出されます。
 お椀には蓋がついています。左手を椀に添えて安定させ、右手で蓋の内側を自分に向けてゆっくりと開けます。取りにくい時は、椀の縁を両端から少し押してみましょう。蓋についたつゆは椀の中にそっと落とし、蓋は、裏返した状態で、椀の右側に置きます。
 温かいうちに、具と汁を交互にいただきます。汁を飲む時はできるだけ音をたてないように気をつけましょう。
 食事が終わったら、椀を傷めないように蓋を元の通りに戻します。
Text by 編集部
向付(むこうづけ)(刺身)
 向付とは刺身のことで、「お造り」とも呼ばれます。おいしい食べ方はイカや鯛など白身のあっさりしたものから、鮪などの赤身、あなごなどの脂っこいものへと食べていくことです。
 刺身をしょう油につける時、小皿を手にとって食べると、しょう油のしずくがたれません。その時、刺身は、わさびをはさんでしょう油につけて食べても、わさびをしょう油に溶かしてつけて食べてもどちらでも構わないでしょう。わさびの扱いは人それぞれの好みです。刺身のつまも残さず食べましょう。魚の味を引き立て、臭みをとってくれます。
Text by 編集部



焼き物
 焼き物の魚は種類によって、切り身や尾頭つきのものがあります。
 切り身は、左側から箸で一口大に切って食べます。尾頭つきの焼き魚の場合、まず、上半身の左側から食べます。下半身を食べる時は、裏返しにしません。箸を骨の下に入れて骨を上に浮かせ、頭の下と尾の部分の身を箸で切り、骨をはずします。箸だけで食べにくい時は左手を使っても構いません。切り離した骨などは、皿の左上にまとめておきます。
 口の中の小骨を出したい時は、左手で口を覆って、箸に受け取り出します。焼き魚に限らず、魚を食べる時には食い散しのないように注意します。
Text by 編集部
焚合(たきあわせ)(煮物)
 普通、“海のもの”と、“山・里のもの”というふうに、対照的な素材が組み合わされて入っています。一口で食べきれないサイズのものは、食べやすい大きさに箸で割いて、口に運びます。煮物は汁が垂れやすく、箸で取る時に滑りやすいので、器を手に持っていただいても構いません。その時、うっかり刺し箸をしないように気をつけましょう。
 蓋付きの器で出された場合、蓋をあけ水滴を切って、膳の右側に置きます。蓋は取り皿として使っても構いません。煮汁も口を器につけてすすっても構いません。 食べ終えたら、もとのように蓋を戻します。
Text by 編集部
揚げ物(天ぷら)
 天ぷらは揚げたての熱いうちに食べるのが一番おいしい食べ方です。普通、大根おろしを加えた天つゆにつけて食べます。食べる順序は目の前で揚げてくれるお店では揚がった天ぷらから順にいただきます。盛り合せの場合には、魚類から野菜類へと移るのがおいしいようです。
 最近は材料によってはお好みでお塩やカレー粉をつけて食べることもあります。気をつけたいのは食べかけた部分を人に向けないこともマナーです。レモン汁をかける時、汁が飛び散らないよう注意しましょう。
Text by 編集部



蒸し物
 蒸し物には「茶碗蒸」がよく出されます。器をそのまま持つと熱いので受け皿ごと持っていただきます。茶碗蒸は一般的に溶いた玉子に出し汁を加えた中に、海老、カマボコ、銀杏、ミツバなどを入れて蒸したものが多いようです。
 食べ方は箸を器の中に入れて静かに中身を器から離してから具と混ぜていただきます。日本料理では珍しく、中身を混ぜて食べても構わない料理です。
 いただく時、箸で下の方に何かあるのではと、中を探ってはいけません。探り箸といって嫌い箸のひとつにあたります。
 最近は、箸の代わりに食べやすい木製のスプーンが添えられるようになりました。
Text by 編集部
酢の物
 日本料理にはお酒をはじめ、酸性のものが多いようです。そこで、口の中を中和させるためにも、さっぱりとしたアルカリ性の酢の物が出されます。酢の物のように酸っぱいものは食欲を促進させます。また、疲労回復にも良いとされています。
 酢醤油和え、芥子酢味噲和え、柚子味噲和えなどが小鉢で出されます。少量の盛りつけですが、一度に食べてむせないよう、気をつけましょう。もずくなど汁のたれるものは、器を手に持って食べても構いません。また、器に残った汁を飲んでもマナー違反にはなりません。
Text by 編集部
ご飯・香の物・止め椀(吸い物)
 会席料理はお酒を飲む宴会料理と考えられています。そのためご飯、香の物(漬物)、吸い物は最後に出ます。
 まず、止め椀の吸い物から箸をつけます。香の物は、最初から箸をつけず吸い物、ご飯、香の物と交互に食べるのがマナーとされています。香の物はご飯の最後まで残しておき、ご飯が済んだら、口の中をさっぱりさせることで最後にいただきます。
 ご飯のおかわりをする時は、いったん箸を置き、両手で給仕の人にお茶碗を渡すようにしましょう。お茶碗には、ご飯を一口分だけ残してお願いするようにとされていますが、最近ではそれほどこだわらなくても良いようです。
Text by 編集部


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