




被相続人の財産、これを相続財産と言いますが、これには様々な種類があります。土地や建物に代表される不動産、定期預金や郵便局の貯金のような現金預金、車や家財道具、そして目には見えないが財産として様々な権利などがあります。
これらの財産を積極財産と言いますが、反対に借金や未払い金などの消極財産も相続財産です。しかしこれはマイナスの相続財産となりますので、積極財産から消極財産を引いた残りが被相続人の財産です。
たとえば土地を例に取りますと、被相続人が生前に購入したこの土地の代金は1億円。だから1億円で相続財産を構成するかと言えば、それは違います。相続の開始時点、つまり死亡時点でのその土地の評価額が相続財産を作り上げます。これは評価という大事な相続税を計算する場合の過程です。
評価の方法は、その財産の種類などに応じて規定されています。財産評価基本通達という実務上の通達がありますが、これが標準です。ですが面白いことに、税務の実務ではこの通達が絶対ではありません。税務は実質課税の原則というものがあり、この通達にある方法よりもっと実態を表す合理的な方法があれば、それに従います。
見解の相違と言う言葉を、よく新聞その他のメディアで見かけるでしょう?たとえば、同じ事象を眺めても、見る方角によってはその形態は異なって見えますね。山が良い例でしょう。北から見たその山の形と、南から見たその山の形が全く違って見える場合があります。しかしお互い同じ山を見ているのです。これが見解の相違です。通達は法律ではありません。取り扱いの手引きです。ですからこれによって評価をするのは至極当たり前のことですが、だからと言って万能ではないのです。

それでは事例をあげてみましょう。<事例1>

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被相続人の財産を評価し終えて合算して2億円となったとします。この被相続人の相続人は妻と子供1人だとします。つまり相続人は2人。第一順位の相続ですから、法定相続分は子供が1/2、妻(配偶者)が1/2です。
相続税は被相続人の純財産の金額合計額から、一定の控除をします。これを、定額基礎控除といいます。5千万円に法定相続人の1人につき1千万円です。この計算は下記のようになります。
| 定額基礎控除額 |
5千万円+(1千万円×2人)=7千万円 |
| 課税対象 |
2億円−7千万円=1億3千万円 |
| 1人あたりの相続財産分 |
1億3千万円÷2人=6千5百万円 |
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この6千5百万円に税率を乗じて計算した税額が、その人の相続税額となるのではありません。この計算で算出された各法定相続人の金額を合計したものを相続税の総額といいます。この相続税の総額を、各相続人が実際に取得した財産の、相続財産に占める割合に応じて配分した金額が、その人の相続税額になります。一方、配偶者の相続税額の軽減という規定があって、一定の場合配偶者の取得した財産には税金がかからない場合があります。計算式があるのですが、上記の場合、妻が取得した6千5百万円は全額課税されません。
相続税は夫婦一体で築きあげた被相続人の財産を課税対象にしますので、妻が共同で築いたものとしてこのように課税しない金額を決めているのです。税法もまんざらではないでしょう!
まだそのような規定はたくさんあります。ここで申し述べたところは、相続税の大筋にしか過ぎません。元気なときにこそ相続のことを考えて色々なことをしておくのが、これからの人の責任だと強調して今回は終わりにします。



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1952年生まれ/血液型A型
横浜市立大学商学部経営学科卒業
昭和63年1月事務所開業以来「歌って踊れる税理士」として多数のクライアントを持ち、仕事に忙殺されながらも税理士事務所のユニークなホームページを開設しています。
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