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韓国文化を探る VOL.1 バックナンバー

韓国文化を探る vol.1 日本に一番近い国、韓国。「韓流」ブームにより、韓国文化がより身近になったのではないでしょうか。 隣国といっても、習慣や生活様式は似ているようで違いがあります。韓国に造詣の深い島本美由紀さんが、その韓国の食文化の魅力についてご紹介します。 文・写真/島本美由紀

韓国料理の美味しい食べ方 ―ビビンバ編―

隣の国とはいえ、韓国と日本では料理や食事のマナーには驚くほど違いがあるのをご存知でしょうか。韓国の食文化をさらに深く知っていただくために、まず美味しい韓国料理の代表格《ビビンバ》についてお話ししましょう。また、男性にも簡単に作れる、お酒にピッタリの韓国のおつまみをご紹介します。



火を通す野菜料理(ナムル)の夏の定番!

豚とキムチは相性抜群、夏バテにも最適!

ピリ辛の味付けがお酒にピッタリ合います!


韓国料理“ビビンバ”は、混ぜの食文化


色とりどりのナムルをご飯に並べ、豪快に混ぜていただくビビンバ。
韓国ではテンジャンチゲ(味噌汁)や、小皿のおかずが数種類付いて\600くらい。
 子供の頃、「韓国料理は、食べ方ひとつで美味しさが変わってくる」と、祖母に教わりました。「ビビンバ」は、その代表的なものです。このビビンバの美味しい食べ方には、ちょっとしたコツがあります。
 冷蔵庫に残ったナムル数種類をご飯に盛り付け、今にも黄身が垂れそうな半熟の目玉焼きを乗せてビビンバに。これを家族全員無言になって混ぜるのが、我が家の定番風景でした。
 色とりどりのナムルがきれいに並べられたビビンバ。これを見て、冷蔵庫にある残り物で作ったとは誰も思わないでしょう?混ぜてしまうのは、何だかとっても、もったいない気がしますね。でも、ビビンバは混ぜるのがポイント。混ぜてこそ本来の味が楽しめるというものですから、混ぜ方には寸分の妥協も許されません。どんなに腕が疲れても、これでもかとばかりに、原型が分からなくなるほど、混ぜて、混ぜて、混ぜなければなりません。
 韓国には、鍋奉行じゃなくてビビンバ奉行がいます。よく混ぜないで食べようとすると、祖母が飛んできてスッカラ(スプーン)を取り上げられ、「まだまだ、混ぜ方が足りないよ!」と、よく注意されたものです。韓国に行った友人からは「ビビンバを食べていたら、店のおじさんが来て、親切によく混ぜてくれた」という話しを聞きました。「親切に混ぜてくれた」というより、「見ていられなかった」に違いない・・・。
 実は私も、よく混ぜないで食べようとする主人から器を取り上げて、有無を言わせずおもいっきり混ぜてしまいます。最近では、主人から先に「混ぜて」と器を差し出す始末。今や私も、立派なビビンバ奉行??

ビビンバはスッカラで、器はテーブルに置いて食べるのが韓国式マナー


箸の置き方も日本と微妙に違う。
日本は箸を手前にして横に置くが、韓国では縦に並べる。
 ビビンバを食べる時に使うこのスッカラ。日本のスプーンに比べて柄が長くて平べったいのが特徴です。ご飯が食べやすく、スープだって飲みやすい。そしてこれが、実は日本と韓国の食べ方の違うポイントなんです。
 日本では、ご飯や味噌汁を食べるときに片手で器を持ちますが、韓国では、器はテーブルに置いたままで食事をするのが礼儀。器を持ったり、口を付けたりして食べるのは、韓国では行儀の悪いこととされています。
 実は私も日韓の文化の違いに戸惑いました。小学生の頃、友達の家でご飯を頂くことになって、我が家でいつもやっているようにスプーンでご飯を食べていると、友達のお母さんにちょっとヘンな目で見られ、子供ながらに動揺したものです。ご飯も汁物も、韓国では皆スッカラ(柄が長いスプーン)で食べるから、器を持って口まで運ぶ必要がないのです。したがって、箸を使うのは、おかずを取る時だけ。昔から主に金属製の食器を使う韓国。熱くなるうえに重いため、持つことができないというのが理由だそうです。

日本でも大人気の“石焼ビビンバ”は、全州(チョンジュ)が発祥の地

 さて、食文化の町として有名な全州(チョンジュ)では、何種類ものナムルやお肉など20種類以上の食材が入った、まさにビビンバの具のビビンバで有名です。そして、この町の「全州中央会館」という店で、“石焼ビビンバ”が誕生しました(全州伝統ビビンバ)。石焼ビビンバとは、熱々の石鍋に入った韓国風焼き飯のようなもの。石鍋が熱いからご飯が焦げますが、この焦げたご飯の食感とナムルが混ざり合って、絶妙な味を見せるのです。かなり熱いので、猫舌の人にはちょっと無理ですが、パチパチと愉快な音が鳴り、全部たいらげるまでひたすら「フーフー、アチチチ!」と言いながら食べる面白さ。
 普通のビビンバに比べて、使う材料が豊富で高級感があり、石鍋を使って調理するので格別な味になるのです。あ〜、考えただけでお腹が空いてきました・・。ビビンバ大好きな我が家には、もちろん石鍋があります。韓国の市場に風呂敷を持参して担いで日本に帰ってきました。重くても美味しいビビンバを食べるために、苦労は惜しみません。
 でも、石鍋がなくてもフライパンを使って簡単に石焼ビビンバが作れるんですよ。フライパンにゴマ油を垂らし、ご飯を乗せナムルを並べます。火をつけてパチパチ音がしてきたら出来上がり。あ、最後に半熟卵や黄身も乗せて混ぜ混ぜしてくださいね。友人が遊びに来るときには、卓上コンロを用意してよく大きなビビンバを作ります。お焦げができたらみんなで混ぜ混ぜ。これが楽しいんです。そして旨い!

「全州伝統ビビンバ」
 牛肉の肉汁により美味しい大豆もやし飯に、季節の惣菜を自然の摂理に従って作ったビビンバに、全羅道の特産物である肉の膾とファンポムクを乗せた全州伝統ビビンバは、自然の神秘な理知と陰陽五行の原理を人間の生活に取り入れた韓国の伝統料理。特に五実果(ごみし)と黄百ジタン(卵を黄と白に分けて薄くフライにする)は芸術的でもあり、混ぜて食べるのがもったいないくらい。

韓国では女性でも、食事の時にあぐらをかく

 韓国では食事の時には、決まって“あぐら”をかきます。器を持たないと、正座だと自然に食べる姿勢が悪くなってしまうので、足を崩して食べるのだとか。
 韓国の寒い冬は、オンドルの上でぬくもりを感じながら、ゆっくりと食事をする風習なので、食堂で正座して食べていると、「そんなんじゃ食べにくいだろ〜」と店の人があぐらを勧めてくれます。正座は韓国では罪人のイメージが残っているし、「そんなに気を使わなくていいから、気楽に美味しく食べましょう」という意味もあるんですよ。
 韓国に行ったら、女性でも臆せずあぐらをかいて、器を持たずにスッカラでご飯を食べましょう。“郷に入っては郷に従え” です。ただでさえ美味しい韓国料理が、一層美味しく食べられると思います。


男性にも簡単に作れる!韓国おつまみレシピ 夏の酒の肴にピッタリです

なすのナムル

分量以上の油を入れすぎると油っぽくなってしまうので注意しましょう。
ゆっくり炒めればしんなりしてきます。保存は冷蔵庫で3日間。


材料
なす・・・・・・3本
塩・・・・・・小4/1
ホンダシ・・・・・・ふたつまみ
万能ネギのみじん切り・・・・・・大1
白ゴマ・・・・・・小2
ゴマ油・・・・・・小2/1
にんにくのみじん切り・・・・・・1片分


あああ
1.
なすはヘタを取って半分にカット。斜めに薄くスライスする。
2.
フライパンが熱くなったらサラダ油大2、にんにくのみじん切りを炒める。
3.
香りが出たらすぐになすを入れ、塩を入れて炒める。
4.
しんなりしてきたらホンダシを入れて再び軽く炒め、万能ネギのみじん切り・白ゴマ・ゴマ油を入れて味を整える。


豚キムチ

にんにく・しょうがをたっぷり入っているので夏バテにピッタリ。
ご飯や豆腐に乗せても食べてもグッドです!


材料
豚バラ肉・・・・・・120g
キムチ・・・・・・120g
にんにく・しょうが・・・・・・各1片
温泉たまご・・・・・・2個
ご飯・・・・・・2杯分
しょうゆ・・・・・・大1
白すりゴマ・コチュジャン・・・・・・大2/1
砂糖・・・・・・小1
ゴマ油・・・・・・適量


あああ
1.
フライパンにゴマ油をひき、みじん切りにした、にんにく・しょうがを入れて炒める。
2.
香りが出てきたら、一口大に切った豚肉とキムチを入れる。
3.
豚肉の色が変わったら混ぜ合わせた調味料を入れ、再びよく炒める。


ケジャン(渡り蟹のピリ辛あえ)

渡り蟹は冷凍されてカットされているものを使うと便利。
きゅうりやにんじんなどの野菜を入れると、さらに美味しく!


材料
渡り蟹・・・・・・1〜2匹
たまねぎスライス・・・・・・4/1個分
タレ
いわしのエキス・・・・・・大2
しょうゆ・・・・・・大1
粉唐辛子・・・・・・大3
砂糖・・・・・・大3
ゴマ油・・・・・・大2/1
みりん・・・・・・小1
しょうがの絞り汁・・・・・・小2/1
塩・・・・・・少々
みじん切りにんにく・・・・・・少々


あああ
1.
渡り蟹は水でよく洗って1匹を4等分にカット。体とはさみに分ける。足などは危ないので少しカットし、水切りする。
2.
タレを混ぜ合わせ、ボールに準備しておく。
3.
食べる寸前に蟹・タレ・たまねぎを合わせていただく。


島本美由紀(しまもとみゆき)プロフィール
1975年生まれ。韓国人の父と日本人の母の間に生まれ、幼い頃から韓国料理・文化に慣れ親しんで育つ。韓国料理教室「さらみ」主宰他、旅好きな料理研究家としても雑誌やテレビで活躍している。著書『ビューティ・ソウル』(情報センター出版局)、『韓流グルメガイド』(彩図社)好評発売中。旅のエッセイの他、フードジャーナリストとしても執筆多数。

島本美由紀さんのHP http://www.toshima.ne.jp/~miyumiyu/

バックナンバー

VOL.1 韓国料理の美味しい食べ方 ―ビビンバ編―
VOL.2 韓国のお酒スタイルと韓国料理
VOL.3 韓国の伝統茶と伝統菓子
VOL.4 河回村の伝統文化
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